中国ドラマ「龍珠伝 ラスト・プリンセス」モヤモヤ感想(ネタバレあり)

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宮廷ドラマ

明朝の最後の公主と清朝の皇帝である康熙帝のラブストーリーを描いたドラマ「龍珠伝 ラスト・プリンセス」全62話をやっと見終えました。

そもそも、明朝のラスト・プリンセスと清朝の康熙帝のラブストーリーなんて無理がありすぎるので、ハッピーエンドは予想していなかったけれど、ちょっと驚きの展開でびっくりしています。

62話も見てきてこんな終わりなのかー!という気持ちでいっぱいなので、その感想を記したいと思います。

以下、ネタバレ含みますので、ご注意ください。

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登場人物の恋愛模様が中途半端

「龍珠伝 ラスト・プリンセス」では、康熙帝と明の公主の2人以外にもたくさんのラブストーリーが存在しています。

視聴している中でも、この2人はどうなるのかな。と楽しみにしていました。

でも、なぜかどのカップルも中途半端で結局どうなったのかわからないのですよね。

とりあえず、感想を含め、個人的な理解はこんな感じです。

康熙帝×易歓

皇宮の外で出会い、お互いの身分も知らずに、義兄弟の契りを交わした康熙帝と明の公主である易歓でしたが、一緒に過ごすうちに惹かれ合っていきます。

そもそも、易歓は自分が明の公主であることも知らず、反清勢力の明珠谷で育ったというだけで、どうしても明復興をしたいというわけではないため、義兄弟の契りを交わした相手が皇帝だと知った後も、不俱戴天の仇という気持ちもあまりなかったみたいですね。

易歓は、ただ民が幸せであれば、誰が皇帝でもいいと思っているし、一緒にいるうちに康熙帝が民を幸せにしてくれると感じているので、明復興についてはどうでもよかったと思われます。

ただ、育ててくれた師匠たちが明復興と騒いでいるから、反対できないし、明珠谷の仲間のことも好きだから康熙帝のことを好きになるのは良くないことだと考えたみたいですね。

なので、最後までかたくなに康熙帝の妃にはなれないと言っていましたね。

康熙帝はというと、ずっと自分のいのちを守り続けてくれた易歓に対し、逆賊だという疑念はあったけれど、信じたくない気持ちでいっぱいでした。

証拠が揃い、逆賊だとわかった時も、殺すことはできなかったし、すべてが芝居だったと思えなかったから、易歓のことを忘れられず、無理やり自分のものにしようとしちゃう。

でも、逆賊だと皆が疑いながら、証拠がないと信じないと頑として譲らなかったのに、その後の離間策に簡単にハマってしまう康熙帝ってどうなの?と思ってしまいました。

まぁ、それもすぐに間違いだとわかって易歓と和解し、やっと2人は結ばれると思いきや、父親に認められたいからと皇宮を出て行く易歓。

その状況で、見送る康熙帝。

意味がわからない。

そもそも、反清勢力の李定国が、康熙帝に嫁ぐという易歓を認めるわけがないのに、護衛もつけずに見送るってどうなの?

いままでずっと妃にはならないと言っていた易歓がやっと、妃になると言ってくれたのに、手離すのはなんで?

モヤモヤだらけでしたね。

慈煊×易歓

本当は、李定国の息子だけど、明最後の皇帝永暦帝の妃が生んだ最後の子どもが娘だったため、樊侍医によってすり替えられ、慈煊と名付けられ、明の皇太子にされてしまった朱慈煊

また、本当は明の最後の公主だけど、娘に生まれてしまったために李定国の娘として樊侍医に育てられ、未来の皇太子妃と決めつけられてしまった易歓

慈煊にとっては、ずっと大好きな易歓だったけど、易歓にとってはただの家族愛の対象でしかなかった、というか、易歓はまだ恋愛感情を知らなかったから、谷にいるときは、将来は大兄さんに嫁ぐんだぐらいにしか思っていなかったと思われます。

康熙帝に会い、恋愛感情というものを知ってしまった先には、慈煊のことを悲しませてはいけないと考えるだけになっていました。

というか、易歓よりも先に易歓の気持ちに気づいたのは慈煊だったというなんとも、切ない展開でしたね。

易歓のためなら命でも差し出すという慈煊は、なんでも完璧にできる男だったのに、恋愛だけはダメダメでしたね。

ただ、易歓の思いをくんで、婚儀の前に逃がしてあげたのに、それでも戻ってきてくれた易歓に再度裏切られるというとても屈辱的な思いをしたのは、本当に可哀そうでした。

実際は、慈煊を助けるために康熙帝についていった易歓だったのに、そのことは最後まで知らされず、結ばれなくても、せめて、易歓のその思いだけは慈煊に届いてほしかったですね。

慈煊×傾城

明の皇太子と言われている易歓の許嫁の慈煊に恋心を抱く傾城。

慈煊と易歓は許嫁だとわかりながら、陰ながらとは言わず、見え見えに慈煊のことを想っているが、易歓のことを邪魔者とも思っていなく、とても良い姉妹の間柄をずっと保っている

明の復興や実母のように慕っていた六師匠よりも、とにかく慈煊が大事な傾城は、自分の恋心を慈煊に押し付けることなく、ただ見守っていたのに、ラストになってキャラが崩壊します。

易歓に裏切られたと自暴自棄になる慈煊を介抱するまでは良かったのだけど、突然、花嫁衣装に着替えて、泥酔状態の慈煊との婚儀を決行

慈煊は、易歓が帰ってきたと勘違いをし、喜んで婚儀を行う。

婚儀を終え、床に入る前に易歓ではないと気づき抵抗するも、最終的には、一晩を共にしてしまう。

朝起きた時に、「あなた」と呼ぶ傾城の怖いこと。

これでは、慈煊も受け入れられないよね。

最終的に、どうしても受け入れられない慈煊に激怒して去っていく傾城でしたが、それまでのキャラと違いすぎて、ちょっとびっくりな展開でした。

最初のうちは、康熙帝と易歓、慈煊と傾城がくっつけばいいな。と思いながら視聴していましたが、ここもうまくはいかずよくわからない感じに…。

呉応麒×倩影

漢族であるけど、清に寝返った漢族から見れば、裏切り者の呉三桂の息子呉応麒と明珠谷の副リーダーともいえる樊侍医の娘の倩影は、出会ってすぐに惹かれ合います。

康熙帝と易歓と同じような立場で惹かれ合っている2人はいろいろあったけど、呉三桂と明珠谷が同盟を結んだことで、一番すんなりくっつくのかな。と思いましたが、後半の易歓と慈煊の婚儀の前に話している内容(私は、一生独身を貫く的な?)を考えると、やはり結ばれることはなかったようです。

そもそも、同盟はどうなったのかも不明な状態で、いろいろモヤモヤしますね。

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物語前半に散りばめられた伏線が回収できない

また、「龍珠伝 ラスト・プリンセス」では、物語の序盤にラストにつながるのではないかと思える伏線がはってあるように思えるのですが、それが全然回収できません

これはどうなるのかな。と思っていたことが謎のままで、ますますモヤモヤしています。

ラスト・プリンセスの正体が明かされない

まず、題名にもあるラスト・プリンセスである易歓ですが、皇帝の娘として生まれるも、女だったために同じ日に生まれた晋王の息子とすり替えられ、李定国の娘として育てられました。

実際に、明の公主だと知っている人は、李定国と樊侍医のみ

本人たちは全く知らないまま物語は進んでいきます。

なので、いつわかるのか、いつ教えるのか、知った時にどんな反応をするのか、とかいろいろ想像しながら視聴していました。

しかし、終ぞ、その正体は明かされないまま終わってしまったのです。

せめて、最後に康熙帝はひっそり知ったとかそんな展開でもいいから、秘密のまま終わるのはやめてほしかった…。

明の皇后が、易歓に送ったも、最初に矢から守るために出てきただけで、身分を証明するものとはならなかったし、いったい何だったのか?

なんだかすっきりしないですよね。

李定国の息子の存在は?

晋王である李定国は、呉三桂との戦いで、妻と娘(易歓)を人質に取られたとき、人質である妻と娘に矢を放ち、後顧の憂いを断っています。

それを見た、李定国の息子は、もう父親として見ないと言い捨て、3本の鍵のうちの1本をもって別れて行きました。

そもそも李定国はこの戦いで生き残れると思っていなかったようですが、生き残ったため、その鍵を取り返すために息子を探すが、結局本人には会えずじまい

元配下の話によると、清朝に投降したらしいが、李定国は信じていない。

この息子の役は、アレン・レンさんが演じているので、後に出てくることをめちゃくちゃ期待していました。

ですが、ホントに最初のみで、出てこなかったのよね。

「麗王別姫」のスタッフが集結しているドラマのため、友情出演ということですよね。

もっとほかのメンバーとの絡みが見たかったけど、よく考えてみたら、最初の頃にもう成人していたため、生まれたばかりの易歓たちと年の差がありすぎて、後に出演するとしたら、年代が合わなくなりますね。

早く気づけば、期待しなくて済んだのに…涙。

銅箱と3つの鍵はどうなった?

で、易歓、慈煊、傾城が紫禁城に潜入捜査に入るきっかけとなった銅箱と3本の鍵ですが、最終的にどうなった?

銅箱は、李定国のもとからスパイだった四師匠が持ち去り、康熙帝の元へ。

また、呉三桂が持っていた白い鍵は、黙声がすり替え、やっぱり康熙帝の元へ。

まではわかっているけど、あと2本の鍵を見つけ出して、箱を開けるまでを追うストーリーなのかと思っていたわ。

なんだか中途半端でよくわからないアイテムでしたね。

それにしても、スパイの四師匠親子は、六師匠と違って利口でしたね。

この親子のおかげで、銅箱も鍵も手に入れられたとは…。

しかし、この親子の名前が、エホナラ(イェヘナラ)・ミンジュとモーシュンって、よく康熙帝の話に出てくる納蘭明珠のことですよね。(明珠って明珠谷じゃん。)

ソンゴトゥと対立をしていた大臣で、色々なドラマに出現してきます。

そして、長男のモーシュンは、史実では、納蘭性徳といって康熙帝の側近を務めたそうですよ。

なんか、色々小出しにしてくるところが、謎を深めるドラマですね。

龍珠を飲んだのに易歓の病は治らない?

こちらも題名となっている「龍珠」ですが、皇帝の涙という意味だそう。

易歓が生まれてすぐに、抱いていた晋王妃が矢で打たれ、地面にたたきつけられたことによって発症した持病は、龍珠を飲むと治ると言われていましたが、見たところ、3回くらいは龍珠を飲んでいるのだけど、全く完治しません。

確かに、「朝まで目が覚めなかったら死ぬ」ようなことを侍医に言われ、龍珠を飲んだら目が覚めたとかそういうことはありましたが、完治には至らない。

どういうこと?

康熙帝の涙は、完全な「龍珠」ではないということなのか、易歓にとって「龍珠」ではないのか、そこもよくわからないまま終わってしまいました。

モヤモヤが倍増しますね。

最終回がすっきりしない

すでに、モヤモヤだらけの「龍珠伝 ラスト・プリンセス」ですが、最終回がまぁわけわからんのですよ。

展開がスピーディーすぎて、気持ちも頭も整理されないまま、「えっ!」という状態で終幕します。

わたしが感じた謎はこの通りです。

易歓は死んだのか?

前述したとおり、易歓と康熙帝は思いを確かめ合い、大兄さんとの問題も解決したため、易歓は康熙帝の妃になると決めて、父親の許しを請いに皇宮を後にするのですが、その後、突如、康熙帝が血の付いた衣と易歓が刺繍した巾着を持って登場し、悲しげにふさぎ込んでしまいます。

んっ?これは、易歓は死んだということなのか?

許しを請いに行った易歓は、康熙帝と一緒になるなら殺してやると、李定国に殺されたのか?

でも、本当の父親ではないし、明の公主に手をかけるのか?

では、後顧の憂いを除くために、ソンゴトゥか太皇太后が手を下したのか?

それもあり得そう。

はたまた、慈煊と一緒に出て行ったため、康熙帝に易歓を差し出すくらいならと、慈煊が心中を図ったとか?

いろんな憶測が頭をよぎりますが、結論はわからずじまい。

もしかしたら、明の公主という身分を李定国から知らされた易歓は、明の皇帝の末裔である以上、清の皇帝の妃にはなれないと思いなおし、血の付いた衣と巾着を送って死んだことにして、康熙帝に執着心を持たないように配慮したということもあり得ますよね。

どうしても、易歓を死んだことにしたくないので、その説を推したいと思います。

明珠谷はどうなった?

また、反清復明を掲げて集まった明の残党で作り上げた精鋭部隊のはずでしたが、その中の中枢部にスパイが4人もいたというなんともお粗末な組織だった明珠谷

最後は、みんな自分のエゴのために生きている感が強く、全く団結していない集団だったと露呈してしまいますね。

呉三桂との同盟もどうなったのやら不明のまま、最後まで戦い抜いて死を迎えるわけでもなく、とても中途半端なままとなっています。

ただ、樊侍医と倩影が和解したことだけは良かったけど、後は????

個人的には、易歓が明珠谷に帰った時に、師匠たちに、康熙帝を諦めることを条件として、反清復明も諦めてもらい、残った明珠谷の人たちは、人里離れた場所でひっそりと幸せに暮らしていたという最後になってほしいと感じています。

どちらにしても、あれだけスパイがいて、慈煊も武術を使えなくなっているし、もう明復興の夢は途絶えてしまっていますから、あとは易歓と康熙帝を一緒にさせないという抵抗しか明珠谷の人々にはできなかったと思います。

呉三桂は結局どうなった?

明朝の裏切り者であり、清朝からも信用されてない呉三桂ですが、結局どうなったのか、ドラマの中ではわかりませんよね。

史実では、清朝の廃藩に反対し、雲南で周王朝を興し、初代皇帝になっているようですが、すぐに討伐されてしまうため、王朝としても認められていないのでは?というレベル感です。

ただ、ドラマの中ではかなり中途半端に投げ捨てられ、ラスボスだったわけでもなく、何だったの?

という謎を残したまま終わってしまいました。

ホント、すっきりしないドラマです。

中国ドラマ「龍珠伝 ラスト・プリンセス」感想【まとめ】

見終わった後は、不満だらけの「龍珠伝 ラスト・プリンセス」ですが、視聴している間は、先が気になる展開で、誰がスパイなのか、とかいつ康熙帝に逆賊だとわかるのか、とかドキドキハラハラしてそれなりに面白いドラマでした。

それだけに、モヤモヤ感がたまってしまうのですけどね。

実はこのドラマ、本当は、90話もある大作だったようで、かなりの部分を省略されてしまっているようです。

だからなのか、と仕方なく納得するしかないのですが、中国では制作してから配信や放送してもいい内容なのかというチェックをされるらしく、そこにひっかかった内容だと省かれてしまうみたいですね。

せっかく撮影したのに、世に出ない映像があるとは、とても残念です。

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